人種概念の普遍性を問う―西洋的パラダイムを超えて
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新たな共通語としての人種概念をめぐり、その歴史的検証と包括的理解に向けて人文科学と自然科学の研究者が初めて協働した画期的成果。圧倒的な欧米ヘゲモニーがもたらす狭隘な人種理解にたいし日本、アジア、アフリカから、地域を超えた強烈なオルタナティヴを呈示する。
(本書の帯より)
目次
I | 総論 | |
人種概念の包括的理解に向けて (9) 竹沢泰子 |
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第一節 人種概念を洗い直す (13) | ||
第二節 人種概念の起源をめぐる大論争とその陥穽 (20) | ||
第三節 人種概念の三つの位相 (28) | ||
第四節 「モンゴロイド」「コーカソイド」「ネグロイド」 (52) | ||
第五節 DNAからみる「アジア人」「ヨーロッパ人」「アフリカ人」 (58) | ||
第六節 分類という常套手段と暴力 (77) | ||
II | 「白色人種」「黒色人種」「黄色人種」 | |
1 | 一九世紀ヨーロッパにおける人種と不平等:身体と歴史 (113) ロバート・ムーア |
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2 | 北米における人種イデオロギー (151) オードリー・スメドリー |
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3 | 中国史上の人種概念をめぐって (182) 坂元ひろ子 |
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4 | ※近代人種主義の二つの系譜とその交錯:地域連鎖の世界史から人種を考える (205) 田辺明生 |
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III | 近代日本における人種と人種主義 | |
1 | 人種・民族・日本人:戦前日本の人類学と人種概念 (229) 坂野徹 |
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2 | 「南島人」とは誰のことか (255) 冨山一郎 |
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3 | 人種主義と部落差別 (276) 黒川みどり |
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4 | ※近代天皇制と賎・穢 (298) 高木博志 |
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IV | 植民地主義とその残影 | |
1 | インドにおけるカースト・人種・植民地主義:社会通念と西洋科学の相互作用 (321) サブハードラ・チャンナ |
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2 | 人種主義的アフリカ観の残影:「セム」「ハム」と「ニグロ」 (356) 栗本英世 |
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3 | 人種的共同性の再構築のために:黒人性再想像運動の経験から (390) 松田素二 |
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4 | ※調停される「帝国の視点」:双方向性のなかで人種概念を見直す (415) 井野瀬久美恵 |
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V | ヒトの多様性と同一性:自然人類学からみる「人種」 | |
1 | 「人種」は生物学的に有効な概念ではない (437) C・ローリング・ブレイス/瀬口典子 |
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2 | 人種よさらば (468) 斎藤成也 |
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3 | 日本人の生物人類学者にとって、「人種」とは何なのか? (487) 片山一道 |
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4 | ※生物学的概念としての人種 (499) 多賀谷昭 |
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あとがき (515) | ||
事項索引 (532-520) | ||
人名索引 (544-533) | ||
執筆者・翻訳者略歴 (548-545) |